―物書きになりたい。
本好きだった祖父の影響で、
幼い頃からたくさんの本を読み、
漠然とそう思っていた私。
大学に進むときには、迷わず文学部を選択。
そして京都大学文学部に入り、大学生活を過ごしました。
3回生の秋には、就職活動をスタート。
所属したゼミの教授は、元・NHK主幹解説者。
マスコミ業界で働きたい、「記者」という物書きになりたい。
いつしかそんな思いが芽生えていた私は、
新聞社やテレビ局各社を受験しました。
そんな中、たまたま食品メーカーの説明会へ。
軽い気持ちでした。
たまには、違う業種を見てみるのもいいか。
食べることは大好きだし、というぐらいの。
でも、そこで出会った採用担当の先輩方の、
いきいきと働く姿がかっこよくて。
就職活動中の私たちを応援してくれるやさしさがうれしくて。
すっかりその会社にほれ込んだ私は、内定めざしてまっしぐら。
そして、入社することになったのです。
社会人になってからは、
会社の方針でさまざまな仕事を経験しました。
企画や人事、そして営業。
新商品を企画したり販促物を作ったり、社内報を作成したり。
かと思えば、採用をはじめとする人事業務を担当したり、
新工場プロデュースのプロジェクトにも携わったり。
勤務地も、大阪を皮切りに、奈良、そして東京へ。
責任ある仕事を通して、多くのことを学びました。
組織や社会の仕組みがどうなっているのか、
コミュニケーション能力やチームワークがいかに大切か、
そして、キャリアアップすることが、どれほど重要で楽しいか。
ですが、ひたすら走り続けた3年半。
徐々に息切れを感じ始め、
一度、会社員生活にピリオドを打つことにしたのです。 |